本屋な日々 青春篇 石橋毅史 

「もう販売された本にあれこれPOPを付けるより大事なことは、自分で自分の客に本を渡すラインを、どれだけつくれるか」

出版ジャーナリストの石橋毅史さんが、全国の「ここ」という書店に足を運び
直接書店員と話をした内容やイベントでの内容が綴られた一冊です。

全国展開しているチェーン店の書店が増え、
電子書籍も普及している昨今、昔ながらの小さな書店が減っています。
紙の本そのものが売れなくなってきている状況です。

そんななかでも、各地で地元に密着している
小さな書店を紹介している貴重な本でもあります。

読み始めたときは、文章から暗さが伝わってきて
最後まで読めるだろうか…と不安になりましたが
最初に紹介されていた書店が行ったことがあり
友人達の間ではちょっと有名な長谷川書店(ハセショと呼んでいます)
だったので興味を持って読みました。

この本には新刊を取り扱っている書店から古書店も載っています。
どの書店員さんも情熱を持ちながらも現状に不安もあり
このまま続けられるのだろうか…。
と、率直な思いが綴られています。

日本全国にある小さな書店の状況や書店員さんの思いも
この本から知ることができ、ここに載っている書店を訪ねる旅がしてみたいと思いました。

まずは大阪の「長谷川書店」と「本は人生のおやつです!!」に行こうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

i【目次】

この旅の向こう
伝える本屋
そこにある本屋
出会いの本屋
青春の本棚
いつか辿りつく場所
あとがき

株式会社トランスビュー
310ページ

著者 石橋毅史
1970年、東京都生まれ
日本大学藝術学部卒
出版社勤務を経て1998年に新文化通信社入社
出版業界専門誌「新文化」の記者、編集長を務める
2009年12月に退社、フリーランスとなる

著書
「『本屋』は死なない」
「口笛を吹きながら本を売る」
「まっ直ぐに本を売る」など

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いいね ! 作:筒井ともみ 絵:ヨシタケシンスケ

「鼻の穴ってすごいんだ。なんだか宇宙のブラックホールみたいだ。なんでもかんでも吸い込んで成長していく」

この本には20個の「いいね」が書いてあります。
主人公は小学校のとあるクラスの生徒たち。

よく転ぶ女の子が自分のひざ小僧を
丸めたティッシュが詰まってとれない鼻の穴を
眠れないことを

さらさらヘアを坊主にしたことを
「いいね」と自分で認めています。

読み進んでいくと、それぞれの子ども達のつながりが見えてきます。
そして何故かあらわれる三毛猫の存在も気になります。
実はこの三毛猫がこのお話の「キモ」で
一人ひとりの「いいね」が最後につながっていくのです。


 

 

 

 

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探しているものはそう遠くないのかもしれない 新井見枝香

「会社は学校と違って、知らないことを教えてくれはしないんだよ。自分で知ろうとしないと、知らないままなんだよ」

筆者の新井さんは東京都内の書店員さん。
芥川賞や直木賞と同日に「新井賞」を発表していて
新井賞受賞作品の方が芥川賞・直木賞作品より
売れるという現象さえ起きている
カリスマ書店員さんです。

 

 

 

 

 

 

 

本書は新井さんのエッセイ。
GLAYが好きで、一人で居ることが好きな新井さん。
そんな新井さんの書店員としての日常や
家での様子が赤裸々に書かれています。

読んでいて楽しいのは新井さん以外の登場人物の設定です。
実名やイニシャルではなく、その人の特徴を捉えてニックネームで
書いてあります。
課長は人気者書店員で「アルパカ課長」
係長は「カンガルー係長」
売れっ子男性作家の「シェパードさん」
名前の後にはわざわざ(仮名)と書いてある。
わかるよ~~(笑)
そして私はそのニックネームからどんな人か妄想しながら読みました。

話は脱線して違う方向に行ったかと思えば
「ミステリーの様に伏線なのだ」としれっと言い
売れ残ったスープを従業員が持ち変えれるとしたら…
と妄想で話が進んでいきます。

文章でも「私は嘘がつけない」と書いてあるように
嫌なことは嫌とバッサリ切り捨てて小気味よく
果てしない妄想は着地点かあったりなかったり。
それでいて一気に読み終わってしまうのは
新井さんの文章力と表現力と妄想力ではないでしょうか。

一書店員の生態が綴られていてとても面白く読めました。
ちなみに「新井賞」は「文学賞の世界」という文学賞を紹介する
サイトに表示されています。
新井賞受賞作品を読んでみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

はじめに
#01 会社に向いていない
#02 結婚に向いていない
#03 大人に向いていない
#04 たまに向いてることもある
#05 生きるのに向いてない
おわりに

秀和システム
231ページ

著者 新井見枝香
1980年東京都生まれ
アルバイトで書店に入社し、契約社員数年を経て
現在は正社員として営業本部に勤める成り上がり書店員
開催したイベントは300回を超える
文庫解説や帯コメントなどの依頼も多い。

著書
「本屋の新井」

 

新井賞

新井見枝香 note

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54字の物語 怪 氏田雄介

「『なぜそう思ったのか?』を考える」

超超短編小説です。
2018年2月に刊行された「54文字の物語」の続編です。
それも「怪」に特化しています。


 

 

 

 

表題にある通り「54文字」で構成されています。
ゾッとする話もあれば
怖いけど思わず笑ってしまう話
「おっ !」と思う話などが90話あります。
次のページには、その話の解説もあるので作者の意図がわかります。
元々児童書なので全ページの漢字にはふりがながついています。
大人でも十分楽しめますよ。

巻末には「54文字の物語をつくってみよう !」
と、方法やコツが載っています。

1.物語のシチュエーションを決める
2.そのシチュエーションの「普通の物語」を考える
3.「普通じゃない物語」になる状況を考える
4.3について「なぜそうなったのか?」「何が起こったのか?」を考える
5.文字数を気にせず書いてみる
6.54字に調整する

本書では6つの項目それぞれに細かく説明があります。
挑戦すると脳トレにもなりそうですね。

 

 

 

 

 

 

 

PHP研究所
191ページ

著者 氏田雄介
1989年生まれ、 愛知県出身

早稲田大学文化構想学部卒業

面白法人カヤック 企画部ディレクター
面接でなぞかけを披露してカヤックに入社
非公式で行われた、TENGA iroha川柳大会で優勝

著書
「54文字の物語」
「あたりまえポエム 君の前で息を止めると呼吸ができなくなってしまうよ」

氏田雄介 Facebook

#54字の物語怪
#NetGalleyJP

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いとしの印刷ボーイズ 奈良裕己

「印刷会社の営業は3年続けば、どこへ行っても通用する」

主人公の刷元正は、ナビ印刷の営業マン。
後輩の沖田と日々の印刷トラブルに対応する。

赤字で修正の指示が無いのに画像が変わっている。
パンフレットの誤植
紙の指定の間違い

トラブルが発生するたびに時には印刷している工場へ
時にはデザインを頼んだ制作会社へ
またある時にはクライアントの元へと奔走し解決していく。
そんな印刷会社の営業マンの実態がコミック化した1冊。

著者が元印刷会社の営業マンという事で内容はとてもリアル。
訂正の裏ワザや用語解説も細かく網羅されていて
この1冊で印刷業界のことが手に取る様にわかります。

主人公の刷元さんは熱血のあまり家族と過ごしているときも
印刷物が気になりつい仕事モードになって奥さんに怒らる場面もあります。

印刷業界の営業マンがこの本の通りなら、納期に間に合わせるために奔走している様子もリアルで大変な職業だと思いました。
友人で印刷会社に就職したいと知ったら止めてしまうかも…(笑)
印刷物への愛も感じられるので、家にあるチラシ1枚もそんな中で作られたのだと思うと粗末にできないな…。

 

 

 

 

 

 

 

学研プラス
164ページ

著者 奈良裕己

東京都出身
マンガ家・イラストレーター
印刷会社、広告制作会社の営業マンを経て
2012年4月に独立
2016年9月から「GetNavi web」にて
本書の元である漫画
「今日も下版はできません !」を連載

 

奈良裕己HP

奈良裕己ツイッター

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#印刷ボーイズ
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にじいろのしあわせ マーロン・ブンド、ジル・トウィス

「ふつうとちがうのは いけないことじゃないわ」

主人公はウサギのマーロン・ブンド。
マーロンはアメリカ副大統領の家に住んでいる。
でもいつもひとりぼっち。

ある日、マーロンはふわふわのウサギに出会った。
彼の名前はウェスリー。
二人はすぐに仲良くなって、お互いがとても大切な存在になった。
マーロンとウェスリーは結婚することにして
庭中のみんなに声をかけるとみんな祝福してくれた。
リーダーのカメムシ以外は…。

カメムシは「オスのウサギどうしは結婚ができない」っていう。
「オスとメスのウサギが結婚するのが普通」
「おまえたちは普通と違う 普通と違うのはいけないことだ」
これを聞いた庭の仲間たちの反応は…。



 

 

 

この絵本は単純にLGBTのことだけを取り上げているわけではありません。
人と違うことや普通と違うことを認め合う。
そこからリーダーの決め方まで発展していきます。
周りに合わせること…空気を読むことを強いられ
みんなと一緒が安心、そんな風潮があるので
この絵本は子どもだけでなく幅広く読まれて欲しい本だと思います。

私自身は左利きです。
鉛筆や箸、包丁、ハサミも左手で使います。
たった、それだけのことで小さい頃からいろいろと言われてきました。

 

小学生の時でした。
書道の時間に左手で筆を持って書いていたときに先生から
「あなた、筆も左なの!?」
と、驚いた様に言われました。
今でも覚えているということは、幼心に傷ついたんでしょうね。

私の母や祖母は仕事で忙しかったこともあるでしょうが
左で持っていても右に持ち変えるようには一度も言いませんでした。
世の中の物は右利きように作られているので
多少不便に感じることはありましたが、
おかけで両方の手を使うようにもなりました。

相手が自分と違うことを認める。
周りと自分が違うことを認める。
周りと相手が違うことを認める。
それができれば、もっと生きやすい世の中になるのではないか…
この絵本を読んで思いました。

 

 

 

 

岩崎書店
34ページ

2018年12月8日発売

 #にじいろのしあわせ
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