男役 中山可穂

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「それとひきかえにファントムさんは、その子の一番大事なものを奪っていくそうよ」

宝塚歌劇には50年前にトップになって二日目に
舞台事故で亡くなった扇乙矢という伝説の男役スターがいた。
男役として舞台の上で殉職した先輩への畏敬の念から
愛情をこめてファントムさんと呼ばれている。
ファントムさんに見込まれると必ずトップになるという逸話まであった。


 

 

 

 

月組の新人公演で主役の座を射止めたナッツこと永遠ひかるは
月組のパッパことトップスターの如月すみれにあいさつに行く。
新人公演は本公演と同じ内容を新人が演じる公演で
ナッツは本公演と新人公演の二つの役のセリフや
動きを覚えなければならない。
ましてや上級生3人をごぼう抜きにして
主役となったので緊張も半端なく地獄の始まりの様だった。

今回の舞台で退団するパッパはファントムさんが見える
唯一の人物。
トップとしての悩みをファントムさんに相談をし
ファントムさんもパッパをフォローする。
主役が決まったナッツもファントムさんの気配を
感じる様になった。
新人公演にむけて稽古が進んでいく。


「娘役」からの「男役」と逆の順序で読んでしまいました。
「娘役」がフランス映画なら
「男役」がアメリカ映画です。
ファントムさんの登場がもはやファンタジーです。
主役はファントムさんであり、パッパでありナッツでもある。
そんな感じがしました。

トップスターの退団と言うと
柚希礼音さんが浮かびます。
1度しかステージは見ていませんが
引き込まれました。

作中のパッパさんは「退団後女優は無理、男役しかできない」
と嘆いていましたが、ファンもそうです。
柚木さんが退団した後のミュージカルを
YouTubeでみましたが、スカートを履いて
男性と踊る姿に違和感があったのを覚えています。

中山可穂さんの宝塚シリーズは
第三作目「銀橋」へと続きます。
早く図書館に「銀橋」が入らないかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

角川書店
201頁

著者 中山可穂
1960年生まれ
早稲田大学教育学部英語英文科卒
1993年「猫背の王子」でデビュー
1995年「天使の骨」で朝日新人文学賞、
2001年「白い薔薇の淵まで」で山本周五郎賞を受賞

著書

「マラケシュ心中」
「男役」
「ケッヘル」など多数

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