ひやかし 中島 要

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「ここの女は我が身を売って、家のため男のために金を作った者ばかり」

吉原に身を売られたおなつ
おなつは元々侍であった。
皆川藩米倉家に仕えていた武士、大下彦十郎の娘。
婚礼を控えた十八の春。
父、彦十郎が花見の最中に考えが全く違う
田坂孫右衛門と口論になり
彦十郎が孫右衛門を切り捨てそのまま逃げてしまった。

おなつの婚礼は消え、大下家は取り潰し。
母は病に倒れ兄は盛り場で借金を作り
おなつを吉原に売ってしまう。

おなつは白妙と名を変え客を引くが、なかなか客がつかない。
ある時から着の身着のままの浪人が
おなつの居る巴屋の前に立ち続ける。
店に入るでもなく女たちに声をかけるでもなく
ただ、おなつの方をじっとみる浪人。
おなつも気になりはじめ、思いを寄せるようになり
それと共におなつ(白妙)が売れっ子になっていく。

ところがある日からばったり浪人を見かけることが無くなった。
気になるおなつ。そこへ浪人の素性を知る三益屋治平と名乗る男がおなつに会いに来る。

表題の「素見(ひやかし)」をはじめ
吉原の女性を書いた短編集

親や兄弟、夫たちの借金や子沢山で口減らしのために
売られて吉原に来る女たち。
吉原には店にも階級があり、店の中でも女性たちの中で階級がある。
売れるか売れないか…ただそれだけ
お金のある旦那に身請けされても愛人でしかなく
まっとうな結婚は望めぬ時代。
もちろん、好きな相手と一緒になるなんてことは夢のまた夢。
だから吉原の女たちは強くなっていくしかなったのだろうか。

 

「色男」という話の中で金の無心に来た侍へ、啖呵を切る朝霧の言葉は
読んでスッとした。
短編集なのでちょっとした空き時間に読めますよ。

【目次】

素見(ひやかし)
色男
泣声
真贋
夜明

 

光文社文庫
283頁
解説 大矢博子(文芸評論家)

著者 中島 要
早稲田大学教育学部卒
2008年「ひやかし」で第二回小説宝石新人賞を受賞
2010年「刀圭」で単行本デビュー
著書に「晦日の月 六尺文治捕物控」
「江戸の茶碗 まっくら長屋騒動記」
「かりんとう侍」
「着物始末歴」など

【こんな人におススメ】

時代小説が好き
すきま時間に読書をする人

最後まで読んで頂きありがとうございます。
当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。

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