横溝正史「獄門島」

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☆ 愛知県のたけちゃん

中学生の時、横溝正史の「獄門島」で金田一耕助シリーズにドップリはまりました。
よく学校を休んで一日中小説を読んで過ごしてました。
当事は気がつかなかったのですが金田一の関わる事件は孤島や山奥の村など閉鎖的で古い因習に縛られた場所が多かったと思います。
僕は中学校に同じ印象を抱いていたのだと。
その世界で自由に動き回る金田一耕助に憧れていたんですね。

僕は小学生の頃はわりと目立つ優等生ぽいタイプでした。
クラス委員をしたり女の子に人気があったり…。 それで意識してはいなかったのですが調子に乗っていたのかも知れません。
クラスの男子から無視されるようになりました。
ほんの2~3週間のことでしたがショックでした。
自分は簡単に無視される存在だったということ。
無視されることに恐怖した弱さ。
自信を無くしました。
中学生になって目立たないようになりました。
自分を出さずに人に合わせるようになりました。
でも段々それも疲れるようになりました。
本はスポーツ系の雑種ばかり読んでましたが、ある日、いつもの本屋に行くとふと「残酷な物語を読みたい」と思いました。
頭の中にあったのは数年前、映画のCMで観た『八つ墓村』でした。
作者も分からずタイトルだけを見て探していると横溝正史という作家の作品でした。
数冊表紙をみるとすべておどろおどろしい。
一番妖艶でおどろおどろしい作品が「獄門島」でした。
読み始めると殺人の残酷さよりもトリックに驚かされ、風変わりな小男 金田一耕助に心を奪われていました。
孤島という閉鎖的な世界。 古い因習に囚われた人間関係。
その中で不思議な存在感と明晰な頭脳で事件を解決する金田一耕助は僕のヒーローになりました。
それから横溝正史の金田一耕助シリーズを読み耽りました。
本の面白さに気がついたのはこの頃です。
その後、僕の生き方が変わったわけではありません。
ですが、自分がいる世界が決して世界のすべてではないと気づいたのです。
思いを馳せれば色々な世界に行けるのです。 色々な人の考え方を知ることが出来るのです。
それだけで世界は素晴らしく思えました。

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