スティーヴン・キング「ダーク・タワー」新潮社

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「おすすめのファンタジー本」

京都府 ラジオネーム よっしー

スティーヴン・キング著「ダーク・タワー」新潮社

① この本のオススメどころ
ダーク・タワーは全7部からなる大長編ダーク・ファンタジーです。
「中間世界」と呼ばれる、過去とも未来とも思えるような、西部劇のような雰囲気をもつ世界が舞台です。
その中間世界や、現在、僕たちが住む現実世界を含めた、様々な次元空間に存在する複数の世界の中心に位置し、各世界のバランスを保ち繋ぎとめているという謎の塔、それが暗黒の塔(ダークタワー)。
主人公は、中間世界における最後の「ガンスリンガー(拳銃使い)」であるローランド・デスチェイン。
ガンスリンガーとは、厳しい修行を経たうえでさらに選ばれし者がなれる、中間世界のジェダイ騎士のような存在です。
彼は、ある重要な目的と使命を持って、暗黒の塔を目指す旅路にあります。
途中に三人と一匹の仲間が加わり、彼らの長く困難な旅の過程と冒険が描かれていくのです。

幕開けの文章が、まずかっこいい!
(ぐーりん、噛まずにカッコよく読んでね(≧∀≦)ww)

「黒衣の男は飄然(ひょうぜん)と砂漠の彼方に立ち去った。ガンスリンガーはその後を追った。」
ー池央耿(いけ ひろあき)さん訳ー

簡潔であり、渇いたハードボイルドなこの出だしを読んだ瞬間に、僕の耳には砂漠を吹きすさぶ風の音が聞こえ、そこをゆっくりと歩んでいく全身黒ずくめの謎の男、そして遥か離れてもう一人、拳銃を携えたストイックな雰囲気の男がその後を追う、そんな姿が脳裏に浮かび上がりました。
そして、「こいつら何もん?何をしたん?何が起こってるん?」とススススーっと物語の中に引き込まれていきました。

キングが学生時代に目にした、ロバート・ブラウニングの詩「童子ローランド、暗黒の塔に至る」から構想を膨らませて書いたというこの壮大なストーリーは、「指輪物語」や「アーサー王伝説」、「スターウォーズ」シリーズなど過去のファンタジーの要素をいくつも含み、そしてファンタジーにとどまらないジャンルミックスな面白さに溢れています。

ただ正直なところ、第5部以降、作品の雰囲気が変わり、読み通すのにしんどい部分も出てきます。わかりにくくて挫折する人も出るかもです。
キング自身の様々な著作とも設定や登場人物がリンクし合っているので、彼のファンなら思わず「おおっ!」と唸ったりニヤッとほくそ笑んだりする場面も多いですが、時に冗長になったりトンデモ設定が出てきたりと、ファンですら歩みが遅くなることもあるかも知れません。

それらも乗り越えての長い旅路のラストに待ち受けるのは…
はっきり言って驚かされます、驚愕させられます。もしかすると声に出して驚くかも(←僕自身の実体験です)。
決してキングの最高傑作とは言いませんし、実際にそうではないでしょうが、僕にとってとても印象深いファンタジーの一作です。
オススメどころと言いながら、オススメしてるのかどうかよくわからなくなりましたが、一人でも読んでみようと思われる方がいらっしゃれば嬉しいです。

② この本との出会い
第1部の「ガンスリンガー」が、角川書店から池央耿(いけ ひろあき)さん訳の単行本として刊行されたのが1992年なんで、大学4回生の時ですね。
書店で大好きなキングの作品が平積みになっているのを見て、「おっ!」と思って手に取りました。当時から文庫派だった僕が、なぜ単行本を買ったのかは覚えていませんが、表紙のカバー絵のインパクトも凄かったです。
彼方に塔のように見える城がそびえ立つ、渇きひび割れた広大な大地から、拳銃を握りしめた両手が突き出ているというものでした。

その後、第2部の「ザ・スリー」、翻訳者が風間賢二さんに変わって第3部の「荒地」、第4部の「魔道師の虹」と翻訳されました。ところが、それらの文庫化が終わっても、続きが一向に刊行されません。
もともと、本国のアメリカでも出版ペースは4〜6年間隔と遅い方だったのですが、それに加えてキングが交通事故で瀕死の重傷をおい、しばらくの間、生死の境を彷徨ったことが原因でした。

ところが、この経験が逆に彼をして「人生何が起こるかわからんから、ダークタワーは完結させな!」と思わせたのか、第5部〜第7部はわずか2年ほどの間に刊行され、ついに完結(余談かつ推測に過ぎませんが、第5部からの雰囲気の変化も、あるいはそれが原因かも)。

それに伴い、日本でも新潮文庫に版をうつして、第1部からの全7部16巻が風間賢二さんによる新訳で刊行されたのでした。

今はその新潮文庫版も入手が困難になりましたが、何と今年2017年の1月から、再び角川文庫に版をうつしての風間賢二さん訳の全巻刊行が始まりました。
しかも、第4.5部という謎の新作を含んで。
今は新巻だけを購入するのか、再度全巻を買い揃えるのか、頭を悩ませているところです。
この投稿が放送される頃には決断できてるかなぁ?

③ あなたにとってファンタジーとは?
本来の意味合いは確か幻想小説でしたが、基本、舞台設定やストーリーが現実的すぎず、どっぷりとその物語世界に浸れるだけの長編、もしくはシリーズであること、これが僕にとってのファンタジーです。
なので、「ハリー・ポッター」や「精霊の守り人」はもちろんのこと、最近読んでいるものでは、北方謙三さんの大水滸伝シリーズもファンタジーの一種ととらえてます。

♬ダーク・タワー

この作品でキング氏は英国幻想文学大賞を受賞。

2017年2月17日(金)に全米公開が予定されています。

この映画に加えて、原作の物語に連なるTVシリーズも制作されるそうです。

イドリス・エルバがローランド役 ズートピア・ファインディグ・ドリー(声の出演) スター・トレック BEYOND

マシュー・マコノヒーが「黒衣の男」を演じます。

公開が楽しみですね。

 

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