高校生の時にハマった本
神奈川県 ラジオネーム キリエ
『富士見二丁目交響楽団シリーズ』秋月こお 角川ルビー文庫
① その本のオススメどころ
BoysLove本ですが、おすすめどころは主人公である守村悠季の成長にあります。
悠季は富士見二丁目交響楽団という町内楽団のコンサートマスターを務めるバイオリニスト。
そこへやって来た指揮者の桐ノ院圭は、カリスマ性があり、指揮の才能だけでなく、
指揮棒一つで楽団員をまとめ上げることができる天才です。
バイオリンの才能はそこそこあれど所詮町内楽団で上手いと言われる程度、
コンサートマスターとして、皆をまとめようとしても小さな問題ばかりに振り回されて
なかなかまとめることも出来ない悠季は、圭にコンプレックスを抱きまくります。
そしてゲイである圭は悠季に惚れているといいます。
もちろん悠季はゲイではありませんので、拒否するわけですが、
天才から好きと言われて嬉しくないわけもなく、圭の求愛を少しずつ受け入れながら、
音楽的にも人間的にも成長し、やがて似合いのカップルになっていくわけです。
この悠季の劣等感は自分にも覚えがあり凡人で人付き合いの得意でない私は、
悠季の諦めや葛藤に共感します。
そんな悠季が徐々に活躍していくわけですから応援せずにはいられません。
BLである必要はあまりないかもしれませんが、ノンケの悠季だからこそ、
圭の特別感が引き立つのかなと思います。
BLすべてに言えることですが、性別関係なくひかれるところに本当の愛があるのだと
思ってしまうのです。
② その本との出会い
高校生当時JUNEという、BL雑誌が流行っていて、
そのなかで栗本薫さんが中島梓の名前で小説道場を開いてたのですね。
秋月こおさんはその小説道場の門下生としてデビューしました。
JUNE本誌ではなく、小説JUNEの方で西ケイ子さんが挿し絵ですごくマッチしてたこともあり、
毎月楽しみに読んでました。
その頃私はBLにどっぷりはまってたので、JUNEで連載していた栗本薫さんの
「終わりのないラブソング」や、遡って「真夜中の天使や」「翼あるもの」まで。
そして秋月さんはじめとする門下生の作品も読みまくっていました。
ちなみに秋月さんはたつみや章の名前で児童文学も描かれています。
③ 高校時代の思い出
高校時代はオタク街道まっしぐらで、マンガ研究部と美術部をかけもちしながら
自分でもマンガを描いて投稿などしていました。
描くことも楽しかったですがオタク友達とBLの感想を言い合ったり、マンガの貸し借りをしたり、同人誌を作ったり、合作して投稿したりしたのが楽しかったですね。
リアル男子はそっちのけで、共学だったのに女子だけでつるんでました。
♬JUNE
株式会社マガジン・マガジン(創刊時は「サン出版」)が発行していた、女性向けの男性同性愛をテーマとした漫画小説混合雑誌の名称[1]。また、「JUNE」誌上で「耽美」と呼ばれるような男性同性愛を主題にした作品の名称でもある。(「耽美」は男性同士の関係描写の隠語で、JUNEという区分ができる前からあった[2]。)現在では、男性同性愛を主題にした作品には「ボーイズラブ(BL)」という名称を使うことが一般的になってきているが、耽美・背徳的といったJUNEの系譜の作品群を「JUNE」と呼び、JUNEのような暗さのない「ボーイズラブ」とは区別する向きもある。
かつて中島梓が「小説道場」を、少女漫画に少年愛ものの流行を巻き起こした竹宮惠子が漫画の描き方や新人の発掘を行う「けいこたんのお絵かき教室」を連載し、プロ作家を多数送り出したことでも知られる。
他に隔月刊として1983年2月に創刊された『小説JUNE』も根強い人気を博す。1995年頃から「ボーイズラブ(BL)」という言葉が派生し、ある種の市民権を得ると同類の雑誌が次々に刊行され始める。同誌は先駆け・老舗として位置づけられていた。しかし、時代の波は活字よりも、官能的な表現をダイレクトに表現・展開される漫画に流れていき、小説をメインにした雑誌は次々に休刊。同誌も2004年4月の153号以降、『小説JUNE DX』と名前を変えてテコ入れを図り継続を試みたが、発行部数の減少は食い止められなかった。現在は休刊。