「点と線」松本清張
料亭「小雪」の女中2人と、東京駅の13番線プラットフォームで見送られていた
機械工具商会を経営する安田辰郎。
この3人は、向かいの15番線プラットフォームに、
同じく「小雪」で働くお時が男性と夜行特急列車「あさかぜ」に乗り込むところを見つける。
だが数日後、お時とその男・佐山は、香椎の海岸で情死体となって発見された。
一見ありふれた情死に見えたが、博多のベテラン刑事・鳥飼重太郎は、
佐山が持っていた車内食堂の伝票から事件の裏の真相を探るため
一人、捜査をすることにする。
一方、佐山は現在社会をにぎわしている××省の汚職事件の関係者であった。
この事件を追っていた本庁の刑事・三原紀一は、
心中事件を追って九州へ向かい、鳥飼と出会う。
捜査の結果、二人は、東京駅で13番線プラットフォームから
15番線プラットフォームが見えるのは、
1日の中でわずか4分間しかないことを突き止め、
安田を容疑者として追及しようとする。
だが、安田には完璧なアリバイがあった。
作品が書かれた当時はまだ新幹線が開業しておらず、
飛行機の利用も一般的ではなかったため、
日本国内の旅行・移動には、相当遠距離でも鉄道(主に急行列車)
が用いられていたこと等、当時の社会状況が反映された内容になっています。
今は、列車に乗る時に時刻表を見て、列車と列車の繋がりや
空き時間が何分あるから、駅そば食べよう…。
って考える人は随分少なくなったでしょうね。
今や、スマホで出発駅・到着駅・時間を設定するとすぐに出てきますものね。
20代の頃に、特急を使わずに東京に行こう!!と友達と4人で時刻表を調べながら
前日の夜7時に大阪を出て、あくる日の6時過ぎに東京につきました。
楽しかったなぁ。
今でも時刻表は売っているので、そんな旅をまたしてみたいと思います。