島本理生 「ナラタージュ」

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島本理生 「ナラタージュ」

・この本のおススメどころ
この本は、島本理生さんが、まだ20代前半で書かれた小説です。
もう二児の母となっていた私が、何故これを読んで、あんなにも心揺さぶられたのか、自分でもよくわからないのですが、とにかく恋愛小説と言えば、この本が浮かぶのです。
主人公・泉は大学2年の春、母校の演劇部顧問であり、ずっと思いを寄せていた葉山先生から、後輩たちの練習に参加してほしいと頼まれます。
再会して、自分の想いが決して終わっていないことを思い知らされる泉。
葉山も、彼のせいで心に深い傷を負い、別居している妻がいるのに、泉に対する熱い想いを消せないでいました…なんて書くと「ただの不倫じゃん」と言われそうですし、実際、葉山先生は泉に甘えきってて、ズルいと思いますが、2人の心の中にある孤独や痛みは、2人にしかわかりあえないし、分かちあえない…この苦しくて切ない事実を、島本さんの文章は、瑞々しい感性で、ビシビシ伝えてくるのです。
決して同じ道を歩けない。こんなにも愛した人には、もう一生出会えない…これをわかったうえで、生きていくことを受け入れている泉に、全て共感はできないけれど、そんな静かで激しい恋愛を経験した彼女がうらやましくもあります。
レストランでのラストシーンが印象的で、泉と一緒に涙が溢れてしまったことを覚えています。
若くて恋愛真っ最中の人にも、好きな人に触れる喜びや、恋する故の不安な気持ちや、流れる涙の温かさを忘れてしまった人にも、オススメの恋愛小説です。

・この本との出会い
高校時代の友人が、SNSでオススメしてたので、素直に言うことを聞いてみました(笑)
普段、恋愛小説は手に取りませんが、素直にオススメに乗っかってよかったです。

・初恋の思い出
初恋ではないのですが、数少ない私の恋愛経験の中で、初めて一方的に相手からピリオドを打たれてしまった恋があります。
大学時代、つきあってた彼は、筋金入りのホンスキー。
ミステリーばかり読んでいた私は、彼のおかげで、村上春樹さんの「風の歌を聴け」や宮本輝さんの「青が散る」などの作品に出会えました。
彼とはよくケンカもしましたが、彼の心が私から離れることはないと信じ込んでいました。
でも、人の心はうつろうものなんですね。彼には別に好きな人ができてしまいました。
彼からフラれた時、自分にもこんなにドロドロした感情があるのかと驚き、落ち込み、立ち直るまで大変でした。
今となっては、あの失恋があったからこそ、他人の痛みか少しはわかるようになったし、本がさらに好きになったのは彼のおかげかなぁと感謝しています。
いや、やっぱり少しは「うらめしや〜〜」と思ってるかも(笑)

島本りおさん
小学生のころから小説を書き始める。1998年、15歳のときに「ヨル」が『鳩よ!』掌編小説コンクール第2期10月号に当選、年間MVPを受賞する。
2001年18歳で「シルエット」が第44回群像新人文学賞の優秀作に選ばれる
「ナタラージュ」は22歳のときの作品

切ない系恋愛小説
きいろいゾウ 西加奈子著
口語のような不思議な文体で書かれた若い夫婦の物語。細やかな感性を持った優しい人々の日常を、丁寧に丁寧に拾い集めながら展開して行く。

しかし誰から見ても揺るぎない絆で結ばれているような二人にも、過去が有り、分かり合えないこともある。

すれ違い、それぞれが己の気持ちに向き合った時、二人の出す結論は……

国境の南、太陽の西 村上春樹著
本書は村上春樹作品の中では割と地味目な位置づけにあるかもしれない。

言ってしまえば不倫小説。

愛してくれる妻と娘達、経済的にも恵まれた幸せな生活を送りながらも、宿命的とも言える女性との再会で主人公は激しく人生を揺さぶられて行く。

ティファニーで朝食を カポーティ著
オードリー・ヘップバーンが魅力的な映画のイメージが強いけれど、違うものと思って読んだ方が楽しめるかもしれない。

実際に物語のラストも映画とは違う。

しかしやはり主人公にとってだけでなくホリーは愛すべき魅力的な存在で、忘れがたい青春の象徴のような女性である。

バイバイ、ブラックバード 伊坂幸太郎著
「何か」をやらかし、連れ去られる運命にある男性が、付き合っていた女性達に別れを告げに行くという奇妙なストーリー。

太宰治の未完の名作「グッド・バイ」から着想を得た設定になっている。

伏線の張り方もキャラクターの描写もお見事で、最後はほろりとさせてくれる良作!

グレート・ギャッツビー フィッツジェラルド著
ぜひとも村上春樹氏の素晴らしい新訳でフィッツジェラルドワールドを堪能したい作品。

舞台は繁栄を謳歌する1920年代のアメリカ。

夜ごとくり返される狂乱の宴、暗闇を隔てた対岸を見据えるギャッツビーの無垢とさえ言える純粋な眼差し。

軽薄な表層に隠されているからこそ、彼の癒えようもない悲しみが際立つ。

マリカの永い夜 吉本ばなな著
夏の終わった寂しさを引きずっている今こそ楽しめる、切ない印象の物語を集めてみた。古典も新訳ならば読みやすいのでぜひトライしてみよう。

 

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