小林信彦 「合言葉はオヨヨ」角川文庫 

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兵庫県 ラジオネーム マーリンの杖が欲しい子

小林信彦 「合言葉はオヨヨ」角川文庫 1972年
① この本のオススメどころ
ふざけた(?)題名とはうらはらに本格的ミステリーです。
大統領と名乗る犯罪組織のボスが“なにか怪しげなブツ“を香港から日本に持ち込もうとしているとの情報をもとに、日本TVの敏腕ディレクター、三文作家、香港警察の刑事の三人が謎を追います。
その魅力はストーリーを縦軸に、小林氏の映画蘊蓄、料理蘊蓄、文学蘊蓄、時事評論、戦前・戦後の日本世相批評、ギャグやパロディが縦横無尽にはさみこまれ、飛び交い、渾然一体となって笑いにむせびながらなんとも読み応えのある作品になっていることです。
例えば大統領と三文作家安田のせりふ 「大統領、日本で何をなさるので、、、」 「やることが多すぎるよ。とにかくエネルギーだけはある国民だ。あれだけの戦争をやっておいて、一日で、平和国家をめざす方向に変わり、またしても外国を侵略しようとしとるのだからな。しかも、世界一の公害の中で、実験用の犬のように生きておる。これは興味深い人種というほかはない」
1972年。光化学スモッグ警報で小学校のプールが中止になり「体の弱い児童は校舎内で待機」の時代でした。。。

② この本との出会い
小学生の時シリーズ一作目の子ども向き「オヨヨ島の秘密」を単行本で読んだのは、親戚にでも貰ったのか記憶は定かではありません。
しかしたちまちのうちにその虜になった私は、高学年から中学生にかけて、大人向けオヨヨシリーズを次々に読んでどっぷりはまっていきました。

③ 「食」に関する思い出
大統領の船を香港から追ってきた主人公たちは、日本でまず神戸に入港します。
香港警察の揚警部補は日本警察に協力を求め、鬼面(おにつら)警部と三ノ宮で落ち合うのですが。 鬼面と部下の間抜けな刑事のやり取り。
「君はどこにいたのだ。三ノ宮センター街で、ぱっと消えたじゃないか」 「洋菓子屋に入っていたのです」 「有名な洋菓子屋の本店が、沢山、あります。私だって人の子です。お菓子が、食べたい、、、」
三ノ宮に本店がある洋菓子屋と言えば。。高校生の時流行ったモロゾフのプリン、ゴンチャロフのチョコ。京都府の田舎から神戸のハイカラな洋菓子に憧れたものです。
そしてこの後の場面で三人が食事する穴門筋の東亜食堂には、大学卒業後、実際に行きました!
小説に出てきた牛肉のバラ肉煮込みと“本格的中華粥“がどうしても食べたくて両方注文したものの、量が多くて食べきれず。 すると女将さんが包んで持たせてくれたんです。 はじめて食べた八角の味と共に、忘れられない思い出です。
八角とは、花びらを干したみたいな、中華で使う香辛料です。

♬ 小林信彦
小説家…『唐獅子株式会社』唐獅子シリーズ 「紳士同盟」
『オヨヨ島の冒険』
『怪人オヨヨ大統領』
『大統領の密使』
『大統領の晩餐』
『合言葉はオヨヨ』
『秘密指令オヨヨ』
『オヨヨ城の秘密』
『オヨヨ大統領の悪夢』

・テレビドラマ「怪人オヨヨ」
『怪人オヨヨ』(かいじんオヨヨ) はNHKの『少年ドラマシリーズ』で放映された作品である。1972年7月1日から1972年7月24日まで放映された
『オヨヨ島の冒険』、『怪人オヨヨ大統領』の2つの原作から、キャラクターの設定だけを借りた作品である。内容は、非常に実験的なことがいくつも行なわれていた。
この話は劇中の大沢和彦が書いたドラマ作品が現実化した、という設定である。
そして、ドラマ作品がTVでドラマ化されているという設定にもなっている。
また、ドラマ中のキャラクターが視聴者を意識した(視聴者に向いた)セリフをしゃべることもあった。
すなわち、全体のドラマ(怪人オヨヨ)の中に、劇中劇としてのドラマがあり、その2つの世界が交流し、さらに視聴者までも巻き込む、というような作りになっていた。
出演者のほとんどがテアトル・エコーの俳優で固められている。
平井道子さん…魔法使いサリー
納谷五郎…銭方警部
山田康夫…ルパン

 

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