時限捜査
堂場瞬一
梅田署の所長島村は2日後に警察学校の校長に異動となり送別会から帰ってほろ酔い気分だった。
シャワーを浴びていると妻の昌美が大声で叫ぶ「お父さん大変!太陽の塔が燃えてる」
大阪のシンボル太陽の塔が燃えている。ドローンでの放火だ。
ほぼ同時にUSJの地球儀、中之島にある中央公会堂、あべのハルカスもドローンがぶつかって炎上する。
島村は梅田署に。
大阪府警の手薄なのを知ってか知らぬか大阪駅構内で発砲事件が起こる。
午前0時
犯人は人質を2人取り時空の広場のカフェの中に立てこもる。
犯人から「駅構内5か所に爆弾を仕掛けた。JR西日本に現金10億円を要求する。警察にはヘリコプターと操縦士を用意してもらう。この要求が受け入れられない限り、午前11時に処刑する」
大阪駅は封鎖。
もちろんJRには10億のキャッシュは用意できない。
現場は膠着状態。
時間は無情にも過ぎていく始発の時間が近づく。
このまま大阪駅を封鎖することは可能なのか?
犯人の真の目的は何なのか?
一方、同じ時刻に東京では小さな公園で男性の死体が発見された。
身元がわかるようなものは何一つ所持していない。
刑事の神谷は公園のごみ箱からプリペイド携帯を見つける。
翌日、大阪の曽根崎町にある大手銀行に強盗が入る。
ほとんどの署員が大阪駅に集結しているために初動捜査が遅れる。
大阪駅では立てこもりの犯人は一向に動く気配がみられない。
一体どうしたのか?
4か所のドローンでの放火、大阪駅の立てこもり、東京の殺人事件、銀行強盗。
この4つが絡み合ったときに、壮大な事件の計画が見え始める。
島村署長に残された時間は24時間を切った。
在職中に事件は解決できるのか。
帯に「大阪の名所が連続爆破され」と言葉に引き寄せられて買いました。
大阪駅の構内も頭に浮かぶので「えっ、あそこで!?」とストーリー以外のところでも楽しめました。
実際に同じようなことが起きても、JRは電車を全線停めて封鎖に協力はあり得ないのでは???
そして大阪駅では乗れない乗客=短気な大阪人、が暴動を起こして無理矢理に改札を突破してしまう強者が多々いるのではないかと変な妄想をしてしまうのでした(笑)