チームⅡ 堂場瞬一

 

「俺たちはチームだから」

浦大地が箱根駅伝でキャプテンとして率いる寄せ集めの学連選抜チームが
箱根駅伝でゴールしたあの日から7年。

山城は実業団タキタで走っていたが、足を故障し手術を受けたが
自ら課したトレーニングで太ももを痛めて2年レースから遠ざかっていった。
そんな折、タキタが業績不振から陸上部を廃部にすることを決める。
山城は自分のマラソン人生に幕を引くことを考え始めていた。

一方、浦は実業団を経て母校の城南大学陸上部の監督に。
今年の予選会で城南大は11位で出場ならず。
浦はオープン参加となった学連選抜改め学生連合と名を変えたチームの監督になった。
山城の状況を知った浦はかつての学連選抜のチームメイトに声をかけ「チーム山城」を結成し、「五輪記念マラソン」に出場できるように奔走する。
最初は拒んでいた山城だが浦に電話で「世話になるから」と告げる。
山城は復活するのか…。

 

今回は孤高のランナー山城くんが主役です。
浦くんが学生連合の監督になったので箱根駅伝の様子もあり、
孤高の山城くんが少しずつ変わっていく様子が描かれていて
この本も一気読みでした。
途中、山城くんと因縁の対決をした甲本くんもチーム山城に入ります。
で、なんと「チーム」で浦くんとデッドヒートを繰り広げた広瀬くんが今回、山城くんと走るのです。
ここも見どころです(≧▽≦)

波のうえの魔術師 石田衣良

 

「マーケットに恋はできない」

俺、白戸則道。
大学を1年留年して5年通い卒業した。
就職できず親父にもう一年間だけ仕送りを頼み
毎日パチンコ屋に通っていた。

ある日、開店を待っていたら右翼の街宣車が
通りの先にあるパチンコ屋の新装開店を反対していた。
1人の身なりのいい老人が、特攻服とガードマンの間に割って入っていった。
老人に叫ぶスキンヘッドを街宣車から「ヤメロー」と兄貴分の男、辰美が叫ぶ。
辰美は老人に平謝りして帰って行った。
それが、俺とジジイ「小塚泰造」との出会いだった。
数日後、ジジイから日当1万円で秘書として働かないかと持ち掛けられた。
次の日、言われた場所に行くとジジイは部屋の中でいくつものディスプレイを眺めていた。
投資家だったのだ。
俺は新聞を読み、なじみのある「まつば銀行」の株価をノートに書きこむ。
これが仕事だった。
マーケットを一から叩き込まれた俺は、ジジイがたくらむ計画に巻き込まれていく。

 

この小説は1998年の春から始まっています。
銀行が生命保険会社と組んで売り出した融資付き変額保険で
お金が返せなくなった老人に担保にしていた土地を取り上げ多くの老人が命を絶ったことをベースにしています。
小塚氏は友人をこの変額保険で亡くしてしまいます。
そのリベンジを企て相棒として白戸くんに白羽の矢を立てたのです。
投資やマーケットの事がわからなくても読めます。
読んだ後はスッとし白戸くんの成長物語でもあります。

燃えつきるまで 唯川恵

 

「愛人でもセカンドでも、何でもいい、愛されるならどんな立場でも忘れられるよりずっとマシ」

ハウジングメーカーに勤める怜子は31歳。
チーフにもなり仕事に充実感を持っていた。
5年間付き合った恋人、耕一郎からは数年前からプロポーズされていたが、
当時はチーフになったばかりで待ってもらっていた。

そろそろ結婚もいいかなと思っていた矢先、
耕一郎から別れを告げられる。
またいつもの喧嘩と同じ、すぐに謝ってくる。
いつも先に謝るのは耕一郎だもの。
そう、たかをくくっていたが、いつまでたっても耕一郎からの連絡はない。
本気の別れだった。
失恋のショックで仕事にも身が入らない怜子。

なんども電話し会ってよりを戻して欲しいと懇願するが受け入れられなかった。
あんなに順調だった仕事も穴をあけてしまう。
そんな怜子に耕一郎と共通の友人から耕一郎に新しい彼女ができたと聞いた怜子は…。


いろいろな女性が登場するけれど、女って怖い…と思いました。
独身の頃や今もそうですが、同性で同世代の友人が少ない私には
なかなか理解しがたい女同士のやり取りが綴られてました(;^ω^)

「チーム」 堂場瞬一

 

「俺のために走ってくれ」

箱根駅伝の出場をかけて行われる予選会。
出場できなかった大学から好タイムを出した選手が選ばれる
「学連選抜」チーム
監督は予選会11位美浜大の吉池
その吉池から「終わりじゃない。俺と一緒に箱根に行こう」
と、声をかけられたのは、城南大4回生の浦大地。
浦は膝を故障して1回生の時に箱根のメンバーに選ばれていたが回避。
3回生で初めて箱根10区を走るが7位で襷をもらったが
途中で失速し最下位。
昨年の自分を吹っ切るために浦は学連選抜で走る決意をする。

 

学連選抜、最初の練習日。
浦は吉池からキャプテンを命じられる。
寄せ集めチームでミーティングを行うが、その中で一人不機嫌全開の
東京体育大の山城は予選会でもトップでゴールをする天才的ランナー。
しかし、周りを一切寄せ付けず見下した態度でマイペースを貫きとおす。
「こんな寄せ集めどこがチームだ」と吐き捨てミーティングの途中で席を立つ。

合宿、直前の練習で寄せ集めから少しずつチームになっていく学連選抜。
目標は「優勝」
いよいよ箱根駅伝がスタートする。
PICK-UP TEAMの学連選抜は果たして何位でゴールするのか?

 

箱根駅伝物は「風が強く吹いている」に続いて2作目。
それも「学連選抜」という特異なチーム。
浦が昨年のリベンジが出来るのか?
後半のレースは読みごたえがあり、テレビの前で応援している様な感覚になりました。
この小説が発表された翌年に学連選抜が総合9位、復路3位となり話題になったとか。
来年の箱根は学連選抜にも注目しちゃおうと思った1冊でした。

 

すりへらない心をつくるシンプルな習慣 心屋仁之助

 

「ま、いっか」で執着を手放す

著者の心屋仁之助氏は性格リフォーム心理カウンセラーです。
セミナーでは自作の歌をギターを弾いて歌う
ちょっと変わったカウンセラーです。


この本を開くとまず目に入るのは
「自分をすりへらしながら、生き急ぐように働いていませんか?」
という一文です。

この本には

・自分の価値観を考えて疑ってみる
・相手の価値観を変えようと思わない
・自分の価値観の一つを変えてみる

⇒ 「〇〇するべき」ではなく「〇〇したいからする」を基準にする

 

「息」は「自分の心」

・深呼吸して自分の心に意識を向ける
⇒ 深呼吸すると心が落ち着きリラックスする

 

「非難」「批判」は「ほう、そうか」でかわす

 

・素直になるには…
相手にどうしてほしいか伝える(イメージの中で)
私はなかなか素直になれず
本当は相手に「もっとこうしてほしい」と思いながらも我慢してしまうところがあります。
「相手に向かって伝えるなんて、恥ずかしくて言えない」
…と思って言わないで積もり積もって爆発してしまうという悪循環を繰り返していました。
この「イメージの中で相手に伝える」という発想はなく、目から鱗でした。

具体的には

1.声をかけたい相手をイメージする

2.イメージの中で相手ににっこりと笑いかける

3.イメージの中で相手をにっこりと笑わせる

4.イメージの中で相手にして欲しかったことを伝える

 

妄想は得意なので、これならできる!!
と思いました。

 

がんばり屋で優しくって気をつかいすぎるから、ついつい自分の身を削って働いてしまうー
そんなあなたに読んで欲しい本です。

「ハーバードの人生を変える授業」 タル・ベン・シャハー 訳:成瀬まゆみ

「歩きなさい」「手放しなさい」「すべてをシンプルにしなさい」

著者のタル・ベン・シャハー氏は
ポジティブ心理学とリーダーシップ心理学の授業が、
大学の歴史上最も人気のある科目の1つとなっているハーバード大学の講師です。

この本は52の章立てで毎回ワークがあります。
このワークを実践すると「生産的知識」を育むことができます。

「生産的知識」とは
単なる知識ではなく、自分たちをとりまく世界をよく理解して、
状況にうまく対処するための知識」です。

この文章を見ると「えっ?、難しそう…」
と思うかもしれません。
が、本書は1つの章が4ページ。

ワークも
「毎日感謝することを5つ書きとめる」
「やりたかったことをやる」
「あきらめることを決める」
といった内容です。

この本の中で一番印象に残ったのは
「PRP法」
自分自身が人間であることを許すこと
状況を再構築すること
そしてより広い視野から見ること
の3段階を踏む方法です。

例えば…
「最近、腹がたったこと」を例にすると
まず、自分が人間であることを許し、起こった出来事と
そのときに感じた感情をあるがままに認めます。

次に状況の再構築です。
その出来事がもらたしたよいことは何かをじっくりと考えます。
楽しいことではなかったかもしれませんが、
それによって何かいいことはなかったのでしょうか。

最後の段階で、一歩引いて、その状況を広い視野で眺めてみます。
その経験をより大きなスケールで考えることができますか
1年後、その状況をどう考えているでしょうか。
小さなことで大騒ぎしていないでしょうか。

「怒り」や「不安」といった感情はそのままにしておくと
膨れ上がることが多々あります。
PRP法で認め、再構築し、一歩引いて見ることによって
その「怒り」や「不安」は昇華していきます。

 

52章なので1年かけて1つの章、1つのワークをやり続けることで
1年後には「人生が変わる」のではないか。
飽きっぽい私には1年かけては難しいなぁ。
「1年かけて検証する、ハーバードの人生を変える授業」
って読書会を毎週するのも面白いかも…(*^^*)