「みをつくし料理帖…八朔の雪」 高田郁 ハルキ文庫

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お互い干渉し合うからこそ美味しい関係になるのかと。

ホンスキーズBOOK テーマ「美味しい食べ物が出て来る本」

おすすめ人 大阪府 ラジオネーム 大乃国信夫

 

・この本のおススメどころ

私にとっては繋がりですね。 まずは人と人との繋がり。

料理人の主人公澪には大きな使命があった。

大阪の名店再興という途方も無い代物。

慣れぬ江戸暮らしで食うにも困る生活ながら、心を折らず生きる。

誰かの言った「さもしい人になるではない」、の言葉が聞こえてきそうな心持ちです。

そんな彼女だからか、周りには魅力的な人が集まる。

そのやり取りが面白い。

皆、ひたむきな澪に惹かれるのでしょうが、それだけではない、

それぞれの事情が彼女に何かを重ねるようで。

1人ずつこれから明らかになっていくのも楽しみです。

物言わぬ物とのつながり。

化物稲荷と忌み嫌われる荒れ放題の神社にお参りする。

偏見を持たず、物言わぬお稲荷さんと心通ずるも彼女の大きな魅力。

また、鰹節をざるに入れて外を走るシーンではそれが好物な猫がニャーニャー鳴きながら追いかけてくる。

シッシッと、追いはらうではなく、ごめんねごめんねと謝りながらさらに強くざるを抱きしめて走るのもまた愛し。

運との繋がり 人や物との繋がりは大事にできる澪ですが、神様との繋がりは薄いようで。

苦難の道が続きそうです。

何れにしても繋がりがある以上1人では成り立ちません。

様々な関係がこの作品の面白さと思ってます。

料理のように、砂糖だけでは甘いだけ。

砂糖にお塩に酢にしょうゆ。

お互い干渉し合うからこそ美味しい関係になるのかと。

これが私の感じる面白さです。

あと、高田郁さんは副題が上手な人と思います。

この作品の八朔の雪、八朔の意味を知ってれば少し深く本に入り込めるのではないかと。

私はこの作品内で初めて知りました。

 

・この本との出会い

フェイスブック上、「みんなで10000冊読めるかな」という読書グループに参加してます。

そこで投稿されたのが読むキッカケでした。

実はその投稿されたのが、ぐーりんさんなのです。

彼女は主人公の澪はもちろん、他の登場人物、料理、とにかくこの本の世界を丸ごと愛しく、慈しまれてました。

さながら、おくるみに包まれた赤子の頭を腕(かいな)にのせて、ソッと顔を見せてくださるような書評だったと思います。

私はいそいそと書店に急いだというより、書棚で見かけたとき、どれどれと笑みを浮かべながら手に取りました。

 

・「食」に関するおもいで

この本を読むと過去の思い出よりこれからのことが湧き出ます。

私は、一応、食に関わる仕事をしております。

料理人ではありませんが、この作品に出てくる「はてな飯」と副題の「八朔の雪」をイメージした商品を何らかの形で世に送り出せれたらなぁなんて見果てぬ夢を抱いております。

最後に、この場を借りて。ぐーりんさん、こんな素敵な作品と引き会わせてくれてありがとう。

これからも澪の成長を見守っていきます。

私がおじいさんになるまでには読み終えようかと。

ゆっくりゆっくり。

 

♬副題についている「八朔」

朔(さく)とは、一般的に「新月」と呼ばれる現象を指します。

陰暦(旧暦)では、新月が現れる日を月初めとしていたため、一日を「月立ち(つきたち)」と呼び、

後に「朔日(ついたち)」という字をあてがうようになったそうです。

「八朔(はっさく)」とは「八月朔日」の略で、旧暦8月1日のことを意味し、

現在の新暦に直すと、8月下旬から9下月旬頃となります。

ちなみに果物のハッサクは、「8月1日ごろには食べれる」と発見者の住職が述べていたことから、1886年(明治19年)に名づけられました。

 

 

八朔には、目前に控えた稲の収穫の予祝(よしゅく)として、恩人などに初穂を贈答する「田の実節供(たのみせっく)」と呼ばれる風習が、農家の間で古くから行われ、中世以降では、武家や公家、商家でも、お世話になっている人へ品物を贈り、祝賀の意を表すことが慣わしとなっていたそうです。

江戸時代になると、1590年のこの日に、徳川家康が江戸城入りしたことから、武家にとってきわめて重要な日となり、大名や旗本などが、白帷子(しろかたびら)を纏って登場し、将軍家に祝辞を述べる「八朔御祝儀」と呼ばれる行事が行われていました。

現在でも、一部地域で八朔の行事は行われており、京都の花街では、芸妓や舞妓が新暦8月1日に、師匠やお茶屋などへ挨拶に回ることが慣わしとなっています。

福岡県芦屋町では、長男・長女の誕生を祝い、男児のときは藁で編んだ「わら馬」、女児のときは米粉で作った「団子雛」を家に飾る、300年以上続く伝統行事があり、香川県丸亀市では、馬術の名人・曲垣平九郎に因んで、米の粉で「八朔だんご馬」を作り、男児の健やかな成長を祈る風習があります。

そのほか、八朔に行われていたお祭りを、新暦に直して開催しているところも夀いようです。

♬みをつくし料理帖 全10巻

1巻 八朔の雪

「出て来るお料理」

はてなの飯…戻り鰹を煮つけた物を小ぶりにしておにぎりにしたもの

戻り鰹… 鰹の美味しい季節は春と秋の年二回あり、春、黒潮にのって太平洋岸を北上する時期に漁獲されたものを 「初鰹」、秋、水温の低下に伴い南下してきたところを漁獲したものを「戻り鰹」 と呼びます。

・ひんやり心太(ところてん) ・とろとろ茶碗蒸し ・ほっこり酒粕汁

2巻 花散らしの雨  

「出て来るお料理」

・ほろにが蕗ご飯 ・こぼれ梅 ・なめらか葛饅頭 ・忍び瓜

3巻 想い雲   

「出て来るお料理」

・「う」尽くし ・ふっくら鱧の葛叩き ・ふわり菊花雪

・こんがり焼き柿

4巻 今朝の春

  「出て来るお料理」 

・ははきぎ飯 ・里の白雪 ・ひょっとこ温寿司 ・寒鰆の昆布締め

5巻 小夜しぐれ 

「出て来るお料理」

・浅蜊の御神酒蒸し ・菜の花尽くし ・寿ぎ膳 ・ひとくち宝珠

6巻 心星(しんほし)ひとつ

「出て来るお料理」

・しくじり生麩 ・賄い三方よし ・お手軽割籠 ・あたり苧環(おだまき)

7巻 夏天の虹 

「出て来るお料理」

・滋味重湯 ・牡蠣の宝船 ・鯛の福探し ・哀し柚べし

8巻 残月 

「出て来るお料理」

・かのひとの面影膳 ・慰め海苔巻 ・麗し鼈甲珠 ・心ゆるす葛湯

9巻 美雪晴れ

「出て来るお料理」

・味わい焼き蒲鉾 ・立春大吉もち ・宝尽くし ・昔ながら

10巻 天の梯

「出て来るお料理」

・葛尽くし ・親父泣かせ ・心許り ・恋し栗おこし

インターネットラジオゆめのたね放送局

関西チャンネル 日曜朝8時~8時半

「ホンスキー倶楽部」

パーソナリティ ぐーりん

http://www.yumenotane.jp/ 

フェイスブック(ホンスキー倶楽部) 

https://www.facebook.com/honsukiikurabu.yumenotane/

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