ビブリア古書堂の事件手帖 三上延

「あの無愛想な店主ではなく、小柄な若い女性のようだった」

五浦大輔は幼いころのトラウマで本を読むことができない。
そんな大輔が電車を待っているときに
古書店から若い女性が出てきて釘付けになった。
その書店の名は「ビブリア古書堂」


 

 

 

 

店主の篠川栞子は普段は人との会話が苦手だが
本の話になると別人の様になり
話だけでいろいろと推察し問題を推理していく。

大輔の祖母が亡くなり遺品の本を整理していると
夏目漱石全集に夏目漱石のサインがある本を見つける。
本の鑑定をするためにビブリア古書堂に行くが
栞子は入院中。

入院先に本を持っていくのが縁となり
大輔は栞子の代わりにビブリア古書堂で
働くことになる。
栞子が入院することになったのは
ある本がけっかけだった…。

1冊の本が元になり1つの話になっています。
古書に関する知識も話に取り込まれていて
著者の三上さんは古書も含めて本が好きなんだな
と感じさせます。

ブックオフと違って個人の方が経営する古書店は
その店によって扱う本が異なり特色があります。
お店の中も静かで掘り出し物を見つけたときは
心の中でガッツポーズを取ってしまいます。

私の住んでいる町にも何店舗か古書店があったのですが
閉店してしまい、ブックオフや天牛書店の様な
チェーン店しかありません。
電車に10分ほど揺られると私の大好きな
天神橋筋商店街があり、そこには何店舗かまだ
個人の古書店があるのでたまに出かけます。

所狭しと本が無造作につまれていて触ると崩れそうな店
ジャニーズのグッズを取り扱っている店
コミックが充実している店など
お店によって品揃えが違うのであっという間に
時間が経ってしまいます。

新刊の本や図書館で本を選ぶのも好きですが
味のある古書店で本を選ぶのもまた違った味わいがあります。


 

 

 

【目次】

プロローグ
第一話 夏目漱石「漱石全集・新書版」(岩波書店)
第二話 小山清「落穂拾ひ・聖アンデルセン」(新潮文庫)
第三話 ヴィノグラードフ・クジミン「倫理学入門」(青木文庫)
第四話 太宰治「晩年」(砂子屋書房)
エピローグ

メディアワークス文庫
307頁

著者 三上延
1971年神奈川県生まれ
電撃文庫「ダーク・バイオレッツ」にてデビュー
ホラーからファンタジーまで幅広い作風で
縦横に活躍中。
丁寧に紡がれる物語には根強いファンが多い。

著書
「ビブリア古書堂シリーズ」
「天空のアルカミレス」
「シャドウテイカー」
など

三上延ツイッター

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花咲小路四丁目の聖人  小路幸也

「奴ら、本気出してきやがった。先手を打ってきやがったんだ」

花咲小路四丁目に住んでいる亜弥には秘密がある。
イギリス人の父親、聖人が実は泥棒なのだ。
普通の泥棒ではなく本国イギリスでは
「最後の泥棒紳士”セイント”」と呼ばれている。
今は引退しているが、当時は英国中の美術品や
金品を上流階級から盗みまくり、
決して捕まらなかった世紀の大泥棒だった。

 

 

 

 

 

花咲小路には商店街があるが
毎年廃業する人がいてさびれつつある。
毎月、亜弥が経営する塾の集まって
話をするがこれといって良い案が浮かばず
お開きとなる。

亜弥には幼馴染の北斗や克己が居て
共に商店街の店を継いでいる。
たまに顔を合わすのだが、
あるとき不穏な噂を耳にする。

商店街の「南龍」のマスターが浮気をしているという。
「佐藤薬局」の奥さんがホストクラブに入れあげている。
そして「大学前書店」の娘、美波の不倫。
南龍のマスターの子ども、佐藤薬局の子ども、大学前書店の美波の妹
どの子も亜弥の塾に通っている。
単なる偶然なのか?

聖人、克己、北斗、亜弥が真相追及に動くと
そこには海外資本「マッシュグループ」の総帥が
絡んでいた。
マッシュグループの狙いは何なのか?
亜弥たちは商店街を守ることができるのか?

先日の「花咲小路一丁目の刑事」と同じシリーズです。
と、いうかこの小説がシリーズ第一作目となります。
怪盗ルパンを彷彿とさせる「セイント」さんが
ステキな役回りをしています。
70歳とは思えません。
表紙に商店街のイラストがあるのですが
なんとなく天神橋筋商店街を彷彿とさせます。

今、住んでいる所も近所に小さいながら商店街が
ありましたがつぶれてしまいました。
お肉屋さんが揚げるコロッケが美味しくて
仕事帰りによく買ってその場で食べていました。
長男の机もその商店街で購入。
懐かしいなぁ。

あちこちで商店街がつぶれようとしています。
スーパーは買い物に便利かもしれませんが
個人商店ならではの良さもあります。

10代の頃によく行っていた市場では
「おっちゃん、今日5人で鍋するんやけど
野菜はどれくらいの量がいいの?」
と予算を伝えると、見繕ってくれて
おまけまでしてくれたのを今でも覚えています。
そんな懐かしいことも思い出させてくれた一冊でした。

 

 

 

 

ポプラ社

317頁

著者 小路幸也
北海道生まれ
広告制作会社を経て、執筆活動へ。
「空を見上げる古い歌を口ずさむ」で
第29回メフィスト賞を受賞して作家デビュー

著書
「東京バンドワゴン」シリーズ
「カレンダーボーイ」
「COW HOUSE」
「花咲小路四丁目の聖人」など多数

小路幸也 ツイッター

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娘役 中山可穂

「おまえは何のために俺のところにやってきたんだい?」

一亀会の片桐は大鰐組の組長ムッシュこと大鰐健太郎の命を狙い
三か月間尾行を続けていた。
片桐にチャンスが巡り、きらびやかな建物に入っていく
ムッシュの後に続くとそこは宝塚大劇場だった。
なんとかムッシュの真後ろの席を手に入れて
その細い首に手をかけようとしたときに
舞台からラインダンスの靴が片桐を目掛けて飛んできた。
ここから片桐の人生が変わっていく。


 

 

 

 

これだけだと単なる極道の話ですよね。
物語はやくざの片桐のパートと雪組娘役のび太こと
野火ほたるのパートで構成されています。
片桐はほたるの靴が縁でほたるを陰ながら応援することにします。
極道もんなので表には迷惑をかけない
ある縁で一瞬、ほたると片桐が言葉を交わす
場面があるのですが、それがまた片桐に負い目となる
出来事も起こり
最後は昔のフランス映画を思い出すような演出でした。
若かりし頃のアランドロンが私の脳内で再生され
本を閉じた時には「FIN」と浮かびました。

私が小学生の頃はちょうど「ベルサイユのばら」が全盛期でした。
安奈淳さんや麻実れいさんの頃です。
祖母に「見たい」とせがんだのですが、チケットは取れませんでしたが
宝塚大劇場までは連れていってもらえました。

それから40年も経ち、とあるご縁で娘と宝塚大劇場に
足を運びました。
初めて生で見る舞台に感動し圧倒され何度か観劇し
宝塚そのものに興味を持ちこの本にたどり着きました。
また、舞台に足を運びたいなぁ。

 

 

 

 

KADOKAWA
211頁

著者 中山可穂
1960年生まれ
早稲田大学教育学部英語英文科卒
1993年「猫背の王子」でデビュー
1995年「天使の骨」で朝日新人文学賞、
2001年「白い薔薇の淵まで」で山本周五郎賞を受賞
著書
「マラケシュ心中」
「男役」
「ケッヘル」など多数

スマイリング !  土橋章宏

「俊太 ! トレインを組むぞ !

関口俊太は函館市に住む中学生
自転車が好きで友達と一緒に函館山を登る。
昨年、行われたロードバイクレース、ツール・ド・函館を
間近で見て俊太を含めてクラスメイト達は熱狂。
海外ブランドの自転車を買ってもらったが
俊太は母と二人暮らしのためママチャリで
友人達の後ろを必死でついていっていた。

今年のツール・ド・函館はジュニア部門があると知り
色めき立つ友人たち。
レースに向けて練習を始めるが俊太はそこには居なかった。

自転車を買ってとは母に言えず
でもロードバイクを諦めきれず
近くにある「岩熊自転車」で自転車を眺める毎日。
最初は俊太を邪険に扱っていた店主の岩熊だったが
俊太の家の事情や自転車への思いを知り
俊太の自転車をチューンアップする。
岩熊は実はロードバイクチームのメカニックだった。
俊太と岩熊、二人三脚の練習が始まる。


私の住んでいる町は坂が多いので
街乗り用のロードバイクに乗っています。
知人会うとたまに「カッコイイね」と言われ
嬉しくなります。
俊太と岩熊の練習の中で、坂の上り方や
下りのカーブの曲がり方なども書いてあって
フムフムと思いながら読みました。
自転車物は近藤史恵さんの「サクリファイス」以来です。
読んでいると自分もレースに挑戦してみたいなぁ
と思ってしまいます。
沖縄で開催される大会には、のんびり海岸線70kmを走る
小学生から参加できるファミリーコースがあるので
そこから参加できればと思っています。
来年には!!

 

 

 

 

【目次】

第一章 はみ出し者
第二章 強さの証明
第三章 決戦

著者 土橋章宏
1969年、大阪府豊中市生まれ
関西大学工学部卒業
「超高速 ! 参勤交代」で作家デビュー
同名映画で第38回アカデミー賞最優秀賞脚本賞を受賞
著書
「幕末マラソン侍」
「天国の一歩前」
「引っ越し大名三千里」など

土橋章宏ツイッター

世界一簡単 ! 「ストレス」と上手に付き合う方法 堀北裕司

「楽しいから笑うのではなく笑うという行動をするから楽しくなる」

著者の堀北さんは大手家電メーカーの「お客様相談室」
の責任者を11年されていました。
オペレーターが対応しきれないトラブル案件の対応
「クレーム対応」を1万件以上扱ったそうです。

怒鳴られる、理不尽な八つ当たりの毎日で
「心が折れる」経験をした堀北さんがたどりついた
「ストレス対処法」63個が具体的に書いてあります。

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モップの精は旅に出る 近藤史恵

「探し物なら、ふたりで探した方が見つかるんじゃないか?」

キリコは深夜、英会話スクールが入っているビルの清掃員。
キュートな服装で歌を歌いながら掃除機をかける。

英会話スクールの事務をしている翔子に郵便物が届き中を開けると婚姻届が⁉︎
相手は受講生の中沢。
翔子は中沢に話をしようと思っていた矢先に死体で発見される。

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