木星買います   アイザック・アシモフ



今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマは「雨」

インターネットラジオゆめのたね放送局
関西チャンネル
毎週日曜午前11時~11時半
「ホンスキー倶楽部」

試聴はこちらから(紹介した本の放送日です)
https://yumepod4.xsrv.jp/wp-content/uploads/2019/05/6-3_honsuki-club_20190520mp3.mp3

アイザック・アシモフ「木星買います」に収録「雨、雨、向こうへ行け」ハヤカワ文庫
ラジオネーム 京都のよっしー

① この本のオススメどころ
隣家に引っ越してきた家族は、人づきあいが悪く、そしてなぜか雨を極度に怖れて閉じこもりがちな奇妙な人々だった。

少しでもお近づきになりたい主人公の家族は、互いの子供をダシに、なんとか彼らをピクニックに誘い出すが、そのピクニックの最中にも携帯しているアネロイド気圧計の針を気にしながら、しょっちゅう空を見上げてはソワソワと落ち着かない隣家の家族たち。

運悪く今にも雨が降りそうな空模様になってきたため、恐慌状態で逃げるように家路につき、家の前で挨拶もそこそこに車から飛び出して玄関へと走り出す彼ら。
そこにとうとう雨が降り出して…

ショートショートなので、ここまで話すとあとはオチだけなんですが、手軽に読めるボリュームと「あーーーーっ」となる、おかしみと憐れみと悲しみがないまぜになったようなオチがオススメどころです。
個人的には、「世にも奇妙な物語」の一編として映像化してほしいくらいです。

注:私ごとですが、今住んでいる家が狭いことと、読み終えた本でも売ったり人にあげたりせずに持っておきたい派であることから、ほとんどの蔵書は田舎の実家の本棚に置いており、現在すぐ手元にはありません。
なので、前述のストーリーも記憶をたどって書き連ねており、一部不正確かもしれませんがご容赦ください。

あと、ネットでレビューを読んでると、この話を含む短編集の評判、あまりよくなかったのが、ちとショックでした。

② この本との出会い
「わたしはロボット」をはじめとする一連のロボットSFが好きで、アシモフの作品は何冊か買って読みましたが、そのうちの一冊である「木星買います」という短編集(ショートショート集)に収録されている一編でした。

③ 雨の思い出
ズバリ、初めて付き合った彼女との相合傘です。

付き合い出してすぐくらいのデートの帰り道、どしゃ降りではないけれど小雨と言えるほどでもない雨が降り出して、最初は僕が差した傘の下で、彼女が左、僕が右側で肩を並べて歩いてました。

その時、傘を持ってたのは僕の左手です。わかりますか?
つまり、あたかも、いとはんに傘を差し掛ける丁稚どんの姿です。
ハッキリ言ってよそよそしい。

ここから彼女の肩に手を回したかったら、
①右手に傘を持ち替えて、
②左手をフリーにする、
③フリーになった左手を彼女の肩にまわす、
の3ステップが必要なんですが、この一連のステップをどうやったら「さりげなく」できるか、僕の灰色の脳細胞が目まぐるしく回転し始めました。

とはいえ、どう思い悩んだところで、やったこともないことを「さりげなく」「スマート」にこなすことができるわけもなく、結局は「えいやっ!」の思い切りだけで、かなりぎごちなかっと思いますが、彼女の肩に手を回すことに成功。
それからはずっとそのままの体勢で歩きました(肩に手を回したら回したで、今度は離すタイミングがわからんかった笑)。

著者 アイザック・アシモフ
1920.1.2 – 1992.4.6
米国のSF作家,生化学者。
ロシアのスモレンスクに近いペトロビッチ生まれ。
コロンビア大学[’39年]卒。
別名フレンチ ポール。
1923年渡米し、’28年帰化。
ボストン大学で生化学者として核酸の研究に専念する。
また、「ロボット工学の三原則」を提唱し、ロボット・テーマのSF小説を書く。
世界SF大会でヒューゴー賞受賞。
「アイザック・アシモフズ SFマガジン」を創刊して、精力的な活動を続ける。


「ロボット三原則」
第一法則:ロボットは人間に危害を加えてはならない.またその危険を見過ごすことによって,人間に危害を及ぼしてはならない.

第二法則:ロボットは人間に与えられた命令に服従しなくてはならない.ただし,与えられた命令が第一法則に反する場合はこの限りではない.

第三法則:ロボットは前掲の第一法則,第二法則に反するおそれのない限り,自己を守らなければならない.

この三法則(三原則)は,1950年にアシモフが執筆した『われはロボット』の扉に記されている.後にアシモフは,この三法則に先立つものとして第零法則を提示した.すなわち下記のようなものである.

第零法則:ロボットは人類に危害を加えてはならない.またその危険を看過することによって,人間に危害を及ぼしてはならない.

その結果として,第一法則は下記のように変更を受けた.
新しい第一法則:ロボットは人間に危害を加えてはならない.またその危険を看過することによって,人間に危害を及ぼしてはならない.ただし,第零法則に反する場合はこの限りではない。
(コトバンクより引用) 


あっちがわ イシズマサシ

「じつは これは ボールじゃないんだ。ひとのね…」

主人公は小学生の男の子。
学校や家の近所や田舎での出来事が、見開きのページで絵と詩の様な短い物語で書いてあります。
どの物語もこの世ではあり得ない様なお話です。

緑色の消防車が建物を燃やしている

原っぱで友達が穴に落ちた。
手を伸ばして助けようとした。
すぐそこに見えているのに手が触れることができない。
どこに落ちたのだろうか。

そんな不思議な15の物語

【感想】
どのページにも出てくる主役の男の子の目が白眼なんです。
子どもが読むと怖いだろうなぁ。

15のお話のうち「きょうけん(狂犬)」が一番ゾクッと来ました。
物語だけだとそんなに怖くない話も絵が怖さをそそります。

日常ではありえない話ばかりです。
だからこそ絵本の題名が「あっちがわ」なのかもしれません。
短い文章なので、その後をいろいろ想像してしまいますよ。

岩崎書店のホームページでこの本を検索したら対象が幼児になってました。
幼児には怖すぎて一人でトイレに行けなくなっちゃうかも…。

岩崎書店
32ページ
2019年6月11日第1刷発行
本体価格 1400円

著者 イシズマサシ
1963年広島県生まれ。 

作家/写真家/絵描き
武蔵野美術大学卒業後、グラフィックデザイナーを経て、三年間海外を放浪する。旅の途中でダライ・ラマ氏を撮影(写真家として初のポートレイト)。
帰国後、写真と執筆業に携わる。

著書
『月とキャベツ』写真集
『モメント イン ピース』
『東京遺跡』
『あさやけのひみつ』など

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お絵描き禁止の国 長谷川まりる

「言葉があると思うだけで、なんていうか…認められている気がする」by ハル

第59回講談社児童文学新人賞佳作を受賞した長谷川まりる氏のデビュー作です。

【あらすじ】
ハルは中学三年生。
父・母・二つ下の弟との4人家族。
ハルはクラスの人気者アキラからキスをされて有頂天。

ハルは同じ美術部に所属するりょーちゃんとしおりんが友達。
写実的に絵を描くよりマンガを描くのが得意。
クラスの中ではどちらかと言えば目立たないグループ。
アキラはクラスの中心のグループ。
アキラは学校で一番やんちゃで面白くて、最高に可愛い女の子。

二学期になって席替えをし、ハルの前がアキラになった。
アキラは目ざとくハルのノートのいたずら書きを見つけた。
アキラはハルの絵をほめてくれた。
そこから二人で帰り道にアキラがストーリーを考えてハルがマンガにする様になった。

ハルはどんどんアキラが好きになっていく自分自身を見つめる。
なんで自分は男の子に興味が無いんだろう…。
そんなある日、ハルとアキラがキスしている写メがクラスのグループラインにアップされた。
弟からサッカー部のグループラインでアップされたと知るハル。
ハルはまず両親に自分が同性愛者だという事を打ち明ける。
両親の反応は…。

【感想】
最近はLGBTを主題にした作品をよく見かけるようになりました。
この小説もそのひとつです。
出てくる人の中にはハルを受け入れられない人も描かれています。
全てがハッピーエンドではないのでその分リアルだと感じました。

ハルは強い。
自分のアイデンティティーを守るには家族や友人など周りの協力が必要であることが書かれています。
アキラとの写真が出回った後、そこから不登校になってもおかしくない状況だけど、ハルはそうしないところに強さを感じます。
私自身が自分のアイデンティティーを揺るがされるような事が起きた場合、ハルの様に一歩前に踏み出せるだろうか…。
そんなことも考えた作品でした。
児童書ではありますが大人にも読んで欲しい1冊です。

講談社
194ページ
2019年6月10日第1刷発行
本体価格 1400円
電子書籍あり

著者 長谷川まりる
情報がありませんでした。

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「のび太」という生き方 横山奉行

具体的に描ける夢は叶う

「ドラえもん」に出てくるのび太は
・勉強はクラスの最下位
・スポーツは苦手
・担任の先生やママに怒られる
・ジャイアンやスネ夫にいじめられる
と、なにもかも上手くいっていない子「ダメのび太」

しかしながら
・誰にでも優しい
・動物や植物を心から愛する気持ち
・感情が豊か

そして長編作品では
・友達に信頼され
・ときには集団のリーダーシップを取り
・ジャイアンやスネ夫も遊ぶときは声をかけ
・担任の先生やママも怒っても決して見離すことはない
・困ったことがあると必ず誰かが助けてくれる

そして、念願か叶いマドンナのしずかちゃんと結婚

➡ 夢を叶える「のび太メソッド」を紹介します

ドラえもんの秘密の道具の意味

・最初はあらゆる問題を解決するが最終段階では、道具を使用しても根本的な解決には繋がらない結果に終わる
➡ ひみつ道具に頼らないで、自力で問題の解決に対処することがベスト
  自分の良いところを伸ばし、ちょっと足りないところを後押しする触媒のような存在

道具を使うことでドラえもんに非難されることで、のび太は必ず自分で試行錯誤しながら問題に取り組んでいる

夢を叶えるために必要なこと

◆のび太の夢は具体的
 ・テストで良い点を取りたい
 ・泳げるようになりたい
 ・〇〇へ行きたい
➡ 具体的な夢は叶う
◆計画を立てて準備する
 ・日頃からすきま時間を見つけて実現したいことを口の中で唱える
 ・「ぼくだって…」と小さな夢次々と描き、実践し続ける 
➡ 「人にできて自分にできないことは無い」という気持ちで課題に取り組む
◆「負けん気」という情熱を持つ
 ・負けん気はプラスのベクトル
 ・夢の萌芽を育てるための大切なエネルギー源

のび太メソッド

◆心配なことは考えない
 ・今、やっている事に全力をつくす
 ・先は考えない
◆カッコイイ自分を想像する
 ・自分の特技を縦横に駆使して、夢のなかで活躍する自分をイメージする
 ・現実離れした夢でもOK
◆現実では恰好をつけない
 ・周りに自分の長所や短所を正直に伝える
 ・自分らしさをさらけ出す
 ➡ 適切なサポートを受けることができる
◆やりたいことは絶対やる
 ・周りの人たちを十分に納得させることのできるような目標を提示する
 ・私利私欲のためにやらない
 ➡ 本当にやるべき目標のためには、良い仲間が集まり結果的に良い成果が得られる
◆自分の夢でまわりを感動させる
 ・常にみんなの幸せを願う
 ・感動させる夢だけで終わらせず行動する
 ・「自分の力でやってみよう」と決意し行動する
 ・「失敗してもいい」と思いきる
 ➡ 自分の夢のリーダーは自分

まとめ

1.周りを感動させる具体的な夢を持つ
2.夢だけで終わらせずに行動する
3.カッコイイ自分を想像し、現実には自分らしさをさらけだす
4.失敗したら再チャレンジ

小さな夢であってもこの4つを信じてやっていくと、ドラえもんやジャイアン、スネ夫、しずかちゃんの様に夢に向かってサポートしてくれる仲間ができます。

【感想】
実は私はのび太が大嫌いでした。
困ったらすぐにドラえもんに泣きつき道具を出してもらって物事を解決する。
道具を正しく使わずに調子に乗って使い過ぎてのび太が困ることになる。
そんなのび太を見て「自分で解決せずに道具に頼るからこんなことになるんだ」と斜に構えていました。

そんな私も自分の子どもを育てるなかで、少しずつのび太が受けいられる様になってきたのです。
今回、この本を読んで実はのび太は
・夢はあきらめない
・感情が豊か
・心優しい
・長所も短所も周りに隠さず自分らしさをさらけだしている
・困っている人は放っておけない
・他人の素晴らしい面を素直に認める
よくよく考えてみると、とても子どもらしい子どもだったんですね。

私がのび太が嫌いだったのは実はのび太にはドラえもんの様に困った時にはいつも助けてくれるロボットが居て羨ましい…。
のび太に嫉妬してたんですね(笑)

本には具体的にドラえもんのストーリーの紹介もあり、解説しています。
じっくり読むと漫画のドラえもんが読みたくなってきますよ。


【目次】
はじめに
序章   ドラえもんがいなかったら
第1章 ドラえもん社会は現代の縮図
第2章 失敗して、夢は叶う
第3章 夢の叶え方 まずは、心
第4章 夢の叶え方 のび太メソッド
第5章 叶う夢には、法則がある
第6章 「のび太なり」の努力で十分
第7章 ドラえもんは、あなたにもいる
終章 「ドラえもん」からのメッセージ
あとがき

アスコム
176ページ
2004年12月10日第1刷発行
本体価格 1200円
電子書籍あり

著者 横山奉行
1942年岐阜県生まれ。
1976年東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。
フルブライト交換留学生(ペンシルバニア州立大学)。
富山大学人間発達科学部名誉教授。
生涯スポーツ専攻。教育学博士。
ドラえもんアナリスト。
登場人物が夢や悩みにどのように対応し、解決したかを考え、人生を豊かにする方法を模索する「ドラえもん学」を研究。
1999年、富山大学にて単位認定のない自由参加型ゼミ「ドラえもんの世界」を開講。
ドラえもんの誕生日である同年9月3日には、ホームページ「ドラえもん学コロキアム」を開設し、「ドラえもん学」を宣言。
2004年、「ドラえもん文庫」を開設

著書
『野比家の謎 「ドラえもん学」研究序説』
『ドラえもん学』
『ドラえもんのことば』など

横山奉行 オフィシャルブログ

横山奉行 ツイッター

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小説 アルキメデスの大戦 佐野晶

「ここは末期を汚さぬことがせめてもの矜持です」by 平山

もともとこの原作は「ドラゴン桜」で有名な三田紀房氏の漫画です。
2015年からヤングマガジンで連載されています。
映画化にもなっており2019年7月26日公開です。
この小説は映画の内容となっています。

【あらすじ】
主人公の櫂直(かいただし)は幼少の頃から、物を見れば測っては手帳に数字を書き込んでいた。
父親との散歩は「計測の旅」だった。

1933年初夏。
山本五十六はこれからは空母の時代と睨んでいた。
大きな戦艦ではなく空母と艦載機とでこれからの軍事力の要は航空戦力だと自論を持っている。
部下の藤岡が空母計画案を作り上げた。
新型戦艦建造計画会議では、藤岡の空母計画案と海軍技術研究所所長の平山による大型戦艦案との一騎打ちとなっていた。

空母の藤岡案より大型戦艦案の方が見積もりが安く計算されており、このままだと平山案が通ってしまう…。
山本五十六は焦っていた。
空母案を通す作戦を練るためにいきつけの料亭に行き、女将に芸者衆を頼むと今日は全員お座敷がかかっているという。
主は帝大の学生。
その学生こそが櫂直だった。

櫂のたぐいまれな数学の知識と計算の速さを知った山本は櫂を海軍に招き平山案の正確な予算を計算するように伝える。
詳しい資料は何もない。
軍隊そのものが嫌いな櫂だが、実際に戦艦を見てその姿の美しさに惹かれ、計測を始める。
次の会議まで1週間。
櫂は平山案の大型戦艦の予算を出すことができるのか…。

【感想】
櫂が平山案の予算を出していく過程はスピーディな展開で次々とページをめくっていました。
山本五十六氏など実在した人物が登場するので櫂直も実在の人物なのか?と思うくらいリアリティはありました。
もう少し櫂のお父さんとのエピソードや平山の背景なども読みたいなと感じました。
この小説を読んだから、映画ではどんな風に表現されているのか興味を持ち予告編も見てみました。
封切り後は映画館に足を運びます。

映画「アルキメデスの大戦」予告編

講談社文庫
256ページ
2019年6月13日第1刷発行
本体価格 620円
電子書籍あり著者 佐野晶
東京都生まれ。
大学卒業後、会社勤務を経て、フリーのライターとして映画関係の著作に携わる

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デジタル・タトゥー 河瀬季

ネット上の風評被害対策に強い弁護士

「デジタル・タトゥー」とは…
一旦インターネット上で公開された書き込みや個人情報などが、一度拡散してしまうと、完全に削除するのが不可能であることを、「入れ墨を完全に消すことが不可能」であることに例えた比喩表現 (ウィキペディアより引用)

著者の川瀬弁護士は元々IT企業で働いていて、後に弁護士になっています。
ITの案件が年々増えているのも関わらず、詳しい弁護士はまだまだ少ないことが、この本を読んで分かります。

この本の目的

1.「弁護士の仕事の内容と範囲」を知ってもらう
2.「現代の若い弁護士」の姿を知ってもらう
3.「法律職」というものの面白さをしってもらう

誹謗中傷対策は、ITと法律の組み合わせ

ある人物から紹介されたのは元国会議員の柏田氏。
任務中に秘書が新潟のホテルで変死した。
SNSでは柏田氏が新潟空港で待ち構えていた、柏田氏が雇ったヒットマンに殺されたなどと書き込まれていた。
この事件のために柏田氏は前回の選挙で落選。
事件があった当時柏田氏は新潟に居ないことが証明されている。
それでもこういった書き込みが消えることはない。

柏田氏は自身の公式サイトや公式ブログ、公式ツイッターを持っている。
フルネームで検索すると柏田氏の公式サイトよりも上位に表示されるサイトがある。
【新潟ゼネコン事業の闇と柏田議員秘書変死事件の真相ーGod’s Eye】
「God’s Eye」の管理者を特定する必要がある。
匿名のドメインを使用し、その運営会社はアメリカの業者だった。
柏田氏のお抱え弁護士はこの時点で運営者の特定は不可能であると結論を出した。

川瀬弁護士はアフィリエイト広告業者から当たることにした。
ここで必要なのが「弁護士会照会」という仕組みである。
普通の一般人ならアフィリエイト広告業者に対して「照会」はできない。
弁護士でなおかつ依頼を受けたからこそできることなのである。
数週間後には人物の名前、住所、口座情報が届き、削除申請書を送り記事は削除された。

【感想】
この本には元代議士、モデル、過去に罪を犯した人…それぞれのケースとその対応が小説の形を取って書かれています。
いわれもない誹謗中傷の書き込みに対応できる弁護士が少ないこと、法の力を借りることで迅速に解決できることを読み取ることができます。
私自身も有料ブログを運営しドメインを取得しているので書いてあることがわかりましたが、アメブロの様に無料のブログを活用している人なら、少し解釈するのに難しいのではないかと感じました。

それぞれの話に解決するためにどのような道筋で解決したかが小説とは別に詳細にありますが、ITに詳しくなく読みにくいと感じた人は小説の部分だけでも内容は伝わります。

NHKのドラマにもなっており、興味を持って読むことができる本です。

【目次】
はじめに
第1話 自殺? 変死した政治家秘書と闇サイト
第2話 5年前の痴漢で再就職できない元教員
第3話 ヴィジュアル系ファンの女の闘い
第4話 ブラック企業? 外食経営者の憂鬱
第5話 自業自得? 虚偽投稿で炎上した大学生
第6話 デマに「なりすまし」。モデルの卵の危機
第7話 ランキングで最下位にされたことにもの申す
第8話 増え続ける匿名サイト ! 投資家を狙う闇の正体
あとがき

自由国民社
248ページ
2018年1月12日第1刷発行
本体価格 1300円

著者 河瀬季(かわせとき)
1981年東京生まれ
JAPAN MENSA会員。
元エンジニアの弁護士。
筑波大学駒場中学、高校卒業。東京大学法科大学院を卒業後、司法試験合格。
第二東京弁護士会所属。モノリス法律事務所の代表弁護士。
ITベンチャー等の企業法務から東証一部上場企業まで、約40社の顧問弁護士、執行役員、役員として活動。
10代よりIT関連のフリーランサーとして、ソフトバンククリエイティブ社(当時)をメインクライアントとし、多数のPC関連雑誌への寄稿、書籍執筆を行う

河瀬季 ツイッター

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